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真の近現代史観を語るには・・必見の書か。 別な場所でも言いましたけど、この文庫シリーズはいわゆる体験者がその筆で書いている戦記ものが数多く出てるもので、これもその一冊です。たいてい読んで思うのは市井に生きてこのまま自分たちの体験を埋もれさせてもいいのかという周囲からの後押しで書かれたというものが多いです。この角田氏も戦後農業にずっと従事して普通に苦労の戦後を送った方です。現在もご健在であるようで90歳を超えているようですね。この方も他の方と同じく筆まめであったようで記録がよく残っており、公的な戦史と自分の体験を照らし合わせて検証しようとしている姿勢が素晴らしいです。 公的に自衛隊などに保管されている戦史とは、やはり記録としては曖昧というか捏造されたと言うかそういう可能性も否定できないわけで、特に特攻隊関連、フィリピンなど戦局が急を告げた地域においてはあやふやであるということが図らずも露呈してるように思えます。やんわりとはではあるけれどある時期以降のいわゆる上級将校の非現実的態度というのが感じられ、この中でも零戦とF6Fとの性能差についての判断を言わせないような、虚構の中にはまった軍人たちが見えてきます。 士官と下士官の違いが良く分る感じですね、軍隊は徹底した階級社会で、特務の名の意味を多くは語らないけど言いたいことは分ります。中尉だろうが大尉だろうが現実にはろくに飛べないのに、隊長になりその下に付く下士官はたまったものではないだろうと言うことが想像できると同時に、開戦初頭からある時期までの将校は分別も礼儀もある人物が多く、戦局が傾いてから出てきた将校たちは虚構を現実として受け売れてしまうほどの洗脳というか偏った人間ばかりと言う感じがします。 前にも言いましたけど、中佐、少佐、大佐といった中核にろくな人間がいなかったから戦争になったのと、こういう人間を作り出した軍人養成システムの誤謬を感じます。この著作の中にもありました「特攻に行く何人かの兵を見送る参謀や司令官が何十人もいた」というようないびつさ、指揮官先頭を掛け声ばかりだという証拠でしょう。 大西瀧治郎とかは特攻生みの親とかいわれていますが、この件に一応当時の証言として戦争を止めさせるための「特攻擁護論」の出所みたいな感じで、ある研究家というか論者はそれを持って大西擁護を謳っている人もいます。その後の彼の行動、特に敗戦間際のあがきとか見ると、そんな合理主義者ではないな、あるいは真珠湾を立案した頃とは人間が変わったのかとしか思えないです。 有名な阿南陸軍大臣自決時の「米内を殺せ」の言葉の謎はなんなのか?僕は大西となにか関係があるのでは思うのですが。大西に関して言えば60年代の映画で鶴田浩二主演で大西の生涯描いた映画やってましたけど、あまり共感できる人物ではなかったような気がします。その映画では小林旭が児玉誉士夫の役で出てましたが、ロッキード前だし海軍協力者として出てましたけど、図らずもその後の歴史で児玉にスポットがあたって結果として大西はその辺の人物と深くかかわっていたことが分るのです。結論から言えば大西もうさんくさいというのが僕の感じです。流石に最後に自殺したのは当然でしょうけど。別な本では大西ではなく源田参謀あたりがすでに特攻隊考えていたと言う証言もあり、大西は飾りというか象徴であったということも言われています。いずれにしたって、参謀クラスの罪は大きいです。 ちょっと脱線したけど、この角田氏は凄い経歴です。いろいろな軍記ものや文献で登場する海軍航空史の上での有名人とたくさん関わっていますね。真珠湾で散った飯田大尉はじめ、新郷少佐、進藤大尉、鷲淵大尉とか、西沢飛曹とか岩本飛曹とか、それだけたくさんの戦場をめぐって生き残ったということだからものすごい強運ともいえるのでしょう。有名な坂井三郎氏よりもキャリアはすごいですが、不思議と撃墜数とかでは名前を聞かないですね、謙虚なお人柄と思ったりします。 研究家や評論家と違うから慰安所とかの話もちゃんと出てくるけど、強制連行は幻だなあと感じますね、現場の彼の言葉に偽りや修飾、脚色はないと感じるだけの力強い文章です。朝鮮から日本につれてきたのは業者(多分同胞でしょう)そこから日本の工場で働くか、海外で慰安婦やるかと斡旋したのは、今で言うところのブラックビジネスでしょうね、児玉誉士夫だのそういう大物よりちいさな軍に群がるハイエナみたいな人たちでしょうね。ここで騙されたのでしょうけど、国に帰れないけど通帳にたくさんのお金をみんな持っていたという証言もあるし、操を守って頑として拒んで洗濯炊事をしていた女性の話もあるし。誉められた話ではないにしろ、やはり真実により近い真相は今の騒動とは別なところにあるのではないかと思うのです。 特攻隊は何ゆえ出来たのか。武士道なるものをこのように変容させたものはなんなのか。なかなか答えは見つけられません。 |
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著者自身が何箇所かで言っているように、「なにかがまちがっている」というのは下士官でも分ることなのに、将校やもっと偉い人が分らないわけないのに、いい出せない雰囲気というものを感じました。「赤信号みんなでわたれば怖くない」ではなくて「赤信号と知っててなおわたる」でしょう、昭和のあの時期は。 |
ターボ君 2008/12/02 21:01 |
2.3週間前によみました。淡々をかかれているが、内容は濃いです。h2が初版の本らしいですが。丸で坂井三郎氏と対談してほしかった気がします。 |
M.O 2009/03/10 15:24 |
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ターボ君 2009/03/10 15:40 |
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