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zoom RSS 読書日記「学歴・階級・軍隊 」副題「高学歴兵士たちの憂鬱な日常 」高田里恵子著 中公新書

<<   作成日時 : 2008/12/19 21:59   >>

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「学歴・階級・軍隊 」いかめしいタイトルですが
画像


例によってネットからデータでは

[日販MARCより]

帝大出でも二等兵。牛馬のようにこき使われて、お世辞を言っても、古参兵殿に殴られて…。最も「貧乏クジ」を引いた学徒兵世代の恨みと諦めの声を蒐集し、世代と階級を巡る問題を照射する。

[BOOKデータベースより]

戦前の日本で、旧制高校から帝国大学へと進む学生たちは、将来を約束されたひと握りのエリートであった。彼らはある時期まで、軍隊経験をもつ時でさえ、低学歴者にはない優位を与えられた。それが、第二次大戦もたけなわとなる頃から、彼らも過酷な軍隊生活を送らざるを得ない情況となる。本書は、最も「貧乏クジ」を引いた学徒兵世代の恨みと諦めの声を蒐集し、世代と階級を巡る問題を照射するものである。

序章 わだつみが聞いた声―高学歴兵士は何を体験したか;
第1章 月給取と腰掛OL―高学歴兵士はなぜ嫌われたか;
第2章 エゴイストを撃て―高学歴兵士はどこでつまずいたか;
第3章 帰ってきた学徒兵―高学歴兵士はいつ追悼されたか;
第4章 エリートの作り方教えます―高学歴兵士はどう教育されたか;
第5章 アプレゲールの高学歴兵士―山崎晃嗣という一例


と言うような内容なんです。
じつはこの人歴史畑の人ではないのでちょっとウィキペディアなんかで調べたら
こんな感じで結構評価としてはきつい書き方されていました。

「 高田 里惠子(たかだ りえこ、1958年 - )は、ドイツ文学者。
神奈川県生まれ。東京大学大学院独文科博士課程単位取得満期退学。桃山学院大学経営学部助教授を経て、教授。

日本ドイツ文学研究史に手を染め、高橋健二の戦争協力や、芳賀檀の行動を論じた論文をまとめ、『文学部における病い』として刊行。続けて『グロテスクな教養』『学歴・階級・軍隊』と、戦前の「理想的な教養共同体」と回顧されることが多い「旧制高校」についての神話を破壊する本を、続けて刊行した。
蓮実重彦、斎藤美奈子の文体に大きく影響を受けているが、庄司薫や中野孝次を論じつつ、自身が師事した柴田翔や池内紀には決して触れないという、独文学会内での保身を頑なに守る中途半端な姿勢を、小谷野敦(『反=文藝評論』)ほかから厳しく批判されている。語学教師でしかない自身の悲哀について、新聞のインタビューでは触れながら、著作ではあたかもそれが「男性」だけの問題であるかのように語るなど、諸所に矛盾を抱えている。」

個人的には面白い読み物でしたが、確かに戦前の旧制高校に関する批判がきつい感じですね。随所に丸山真男の話が出てくるのが、まあ自分もインテリなんだと自己主張してるみたいな感じでイヤですね。丸山真男っていうのは日本の思想とかと言う本で有名ですけど、今時の30代以下で名前は知っていたとしても、その著書を読んだ人間がどのぐらいいるのかという視点ですでにこの著者の論理が自己崩壊しているような気がしますが。ウィキペディアの内容から見るに蓮見重彦だの斉藤美奈子などに影響を受けてるとしたらまあろくなもんじゃないなというのが僕の感想です。言い切れば、旧制高校批判は兵としての個人の視点でいえばそのとおりだろうけど、あの時点ではそうじゃないただの農民だのが圧倒的であったろうし、何よりも兵隊の媚へつらいも含めて能力のうちだろうから高学歴云々より個人の問題でしょうと言う気がします。昭和の初頭において不景気の台頭とともに陸軍士官学校だろうが海軍兵学校だろうが優秀な人材が集まっていたのであって、旧制高校独特なものなんて別にないのではないかなあと思うのです。わだつみの声の問題だって他の方の著書によれば、編集において問題ありきで戦後の日本のありようによって批判の対象にもなったわけで、実際に学徒の大多数はもっと直情的な遺書を残していると言うこともありますね。彼女の書きようでは一般の人間は高学歴者に対してみんなコンプレックスを抱いており、高学歴者のほうでは彼らをさげすんでいるというようなステレオタイプな見方になってしまう。直接戦地に赴いた兵や士官の手記とか読んでみれば、この軍隊における階級社会は士官と兵に厳然と存在すると同時に、人間としての信頼は別なところにあるというようなことが分るのですが。

僕にはこの高田さんがそもそも東大だしなんとも鼻持ちならない書き方するし、引用における偏りもはなはだしいし
(野間宏とかいいだももとか丸山真男とか)ようするに歴史を語るべきではないと言うのが僕の結論です。

ノブレスオブリージュに関する考察もなんだか甘いなあと言う感じで、大体ドイツやイギリスと比べるのが間違っているというか、継続する貴族社会騎士の伝統をそのままに発展したヨーロッパと新渡戸稲造が言った本来あるべき武士道をそもそも崩壊させた「勝てば官軍」のにわか貴族の違いから話は起こさなければならないのに旧制高校創立時点で作られたものなんて比較すること自体がナンセンスであるといえます。日本海軍がイギリスから見習ったものも吹き荒れる国粋主義の中沈没しちゃったかのようであるし、そういう視点が完全に欠落している彼女はなにか旧制高校出身者とか男性の古いインテリ層に対する憎しみのようなものすら感じるというのは言いすぎでしょうかね。

というのも最近中央公論で藤原正彦が「きけわだつみの声」のかんするセミナーを論じる講師みたいなのをやっていてあなたも数学者なら数学者らしくして欲しいという印象があったので同様なイメージ持ちました。形から入れば良いってものではないけれどそれなりの研鑽を積んだ上で人からお金貰うのだったら歴史研究者という肩書きを自ら名乗って欲しいなあ・・・と。数学者でありながらとか文学者でありながら歴史にも深い造詣をと言うような能書きは少なくても学術系を名乗る本では使って欲しくないのです。週刊誌や宝島文庫みたいな(失礼ながら)本ならまだしもというのが、僕の抱いている感じでそれは例の幕僚長が言論の自由主張してるのと同じような意味合いで、この高田さんも藤原さんも大学の先生でしょう、違う分野でのエキスパートなわけだから。

そうそうかの近衛文麿氏の長男文隆氏も確か二等兵からの出征であったし、東条首相は高田さんの思惑以上に軍隊は平等(皮肉な意味で)であったと思うし、特攻隊に関して言えば、兵学校より予備学生あがりが多かった言う事実はあるけど、飛行機はテクノロジーの産物ゆえにある程度の学力を必要としたが故べつに中学も出ていない人間を差別したわけではないだろうけど、インテリゆえ他の事もたくさん知っていて「わだつみの声」のようになったのであろうと思います。ガタルカナルで餓死した兵やインパールで白骨と化した兵に学歴もくそもないでしょうに。



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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
訂正です。藤原さんは「文芸春秋」のほうでした。
ターボ君
2008/12/19 23:43

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